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memo

未来研究についてのはなし③

 「やぶれたきりがみ」について。
 小さいころの自分の体験を元に書いた作品です。本当は水色ではなくうすピンク色だった気がするのですが、そのような細部の変更以外はほとんど在りし日の記憶をそのまんま描写しました。

 挿絵に使用するために、実際に何枚かきりがみを作りました。6ページ目の下にあるきりがみがそれらです。一応文中の色に合わせてあります。「きりがみ」は表紙の絵にそのまま使おうと思っていたんですがやめました。実際に作ってみると思っていたよりもダサイ感じになったからです。その代わりにおまけとしてきりがみを一枚本に挿もうか、とかも考えたのですが、それもやめました。単純に面倒だったからです。
 このように「やぶれたきりがみ」は「未来研究」において主役級の役割を果たす予定だったのですが、いつの間にか目立つ出番がなくなり、最終的に4作品が揃うといちばん特徴のない感じになってしまいました。

 余談ですが僕はピアノが非常に好きで、音も好きだし形も好きだし、何よりも色が好きです。いちばん最初にピアノを黒く塗った人はすごい。完璧に美しい楽器だと思います。グランドピアノも好きですが、一般家庭に良くあるようなアップライト型のピアノがなんだかんだで好きです。僕自身は弾けないのですが母が良く弾いていました。自分の根っこになるところにピアノという存在はあるような気がします。心の中に新しい家を想像するとして、その中に自由にものを置きなさい、と言われたなら、最初に必ずピアノを置くだろうと思います。

 そんなピアノが重要なモチーフとして登場する「やぶれたきりがみ」は、他の作品よりもちょっとだけ気持ちの多く乗っかった作品です。

〜次回へつづく〜
by msk_khr | 2012-12-12 02:27 | 本について