人気ブログランキング | 話題のタグを見る

memo

未来研究についてのはなし①

 自主制作本「未来研究」について、何回かに分けて書いていきたいと思います。「作者のあとがき」のようなものです。内容の核心に触れるネタバレはありませんのでご安心を。ただし、「未来研究」を読んだあとの方が意味が分かると思います。

 まずはタイトルについて。
 前作「トレモロ」が完成したときに、すでに次回作のタイトル案がいくつかあり、「フラットストーリー」という仮題で最初は制作を進めていました。本当に初期の段階では結構文章の量の多いものを入れるつもりで、しかも童話のようなものを考えていたので、「ストーリー」という言葉をタイトルに入れようと思っていたわけです。
 しかしその作品がどうにもまとまらなかったのでボツになり、そしたらあまり「ストーリー」感のない本になりそうだったので、残念ながらタイトルも却下ということになりました。
 そのあと仮題で「ジグソーパズル」というのを付けました。これは「やぶれたきりがみ」に出てくる言葉から引っ張ってきたもので、「トレモロ」のとなりに並ぶ言葉としてはきれいだったのでしばらくこれだったのですが、本が完成に近づくにつれ、全体を通してみてもとくに「パズル」感はないかな、と思ってまたボツに。
 「花火」から発想し、ちょいダサをねらって「ファイヤープレイヤー」にしたり、「未来の音楽家のためのエチュード」に出てくる「四分音符」からとって「クオーター」にしてみたりと、ものすごく何周もした結果「未来研究」に落ち着きました。最初の作品のタイトルも同様に長いこと決まらず、それが「未来研究」に決まると同時に本のタイトルにもしてしまったのです。まさか漢字になるとは思いませんでした。

 4作品のうち2つは「未来」に関するもの、もう2つは「過去」に関するものになっているので、半分は「未来研究」ですが半分は「過去研究」です。収録作品の「未来研究」についてはまた来週に書きたいと思います。

〜次回へつづく〜
by msk_khr | 2012-11-27 23:29 | 本について