人気ブログランキング | 話題のタグを見る

memo

トレモロについてのはなし①

 自主制作本「トレモロ」について、何回かに分けて書いていきたいと思います。「作者のあとがき」のようなものです。内容の核心に触れるネタバレはありませんのでご安心を。ただし、「トレモロ」を読んだあとの方が意味が分かると思います。

 まずはタイトルについて。
 「トレモロ」という題は、はじめから決まっていたのではありません。最初頭にあったのは「パラボラ」という題です。もともと「通信」というモノクロの絵を収録するか、表紙絵にするつもりだったため、仮で付けていたタイトルでした。しかも「パラボラvol.1」「パラボラvol.2」といったふうに、雑誌形式で定期的に作っていくつもりでした。
 しかし、文章、具象画、抽象画が同量ずつ混在した試作品を作ってみたところ、具象の絵が邪魔に思えてきてしまい、それらをすべて省くことにしました。文章が主役なのか、絵が主役なのか、どっちつかずな本になりそうだったので、具象画はそれだけをまとめて本にする、という結論に至ったのです。
 「トレモロ」という言葉は、ずっとあたためていたわけでもなんでもなく、なんとなくカタカナで、好きな響きの言葉はないかなあ、と思って、電車の中で携帯の辞書機能を眺めていたときに見つけた言葉です。たしか「トロイカ」という言葉を調べたときに見つけたのだったと思います。

 【パラボラ−アンテナ】 衛生放送や極超短波中継などに用いる、おわん形のアンテナ。
 【トロイカ】 三頭の馬でひくロシアの馬車または馬そり。
 【トレモロ】 同一の音を急速にくりかえす演奏法。ふるえるように聞こえる。
 (旺文社監修国語辞典参照)

 この、「ふるえるように聞こえる」という一文が決め手となりました。
 終盤の収録作品である「トレモロ」は、タイトルを付けたあとに作ったものです。詩集や短編集、音楽のCDアルバムとかで、収録作品のひとつがそのまま本やCDのタイトルにもなっているものがあります。「トレモロ」もそんなふうにしようと思ったのです。

〜次回へつづく〜
by msk_khr | 2012-07-15 23:19 | 本について