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memo

My weak point is English.

 高校時代、美大進学を考える前は文系の大学に進もうと思っていました。1年生のとき、担任の先生と一番最初に進路の面接をしたときもそう言いました。「絵本作家になりたいと思っていて・・・」とか言ったのを覚えています。漫画家や作家、アニメーターやゲームクリエーターなど、その頃は色々な職業に憧れていたのですが、一番言葉に出して恥ずかしくないと思って口から出たのが絵本作家という職業でした。絵本作家、という響きは大変健康的でいいと思いました。「優良職業」な香りがプンプンします。親族の中で一目置かれそうです。
 結局文学部などには進まず、美大に行こうと考えたのですが、確かその理由は単純に絵がうまくなりたかったからだったと思います。絵がうまければ、自分がなりたい職業のほとんどになれると思ったのです。小説家もいいなあとか夢見ていたのですが、文章を書いたりするのは、わざわざ勉強しなくても何とかなるだろうと考えたのでした。

 今度「ボローニャ国際絵本原画展」というコンペに応募しようと考えています。そいつは5枚のイラストレーションと、それぞれの場面に英語で簡単なテキストをつけて送る、という珍しいルールの公募展です。通っている版画工房のイラストレーターの方が昨年、2人入選されていたので興味が湧きました。
 高校時代は隠れ蓑的に絵本作家と言いましたが、美大を卒業して一応画家としての活動を始めて、ひとつのことに気付きました。やっぱり自分は絵本作家「寄り」な人種だということです。友人たちがいろんな画廊で展示を開催しているのを眺めていると、なんとなく自分のやりたいこととそれらがかけ離れている気がしてならないのです。

 「ボローニャ」はそんな僕にとってはちょうどいいコンペでした。入選作品の作風の幅が広く、かわいい絵からダークテイストな絵、都会的なものから写実的な作風まで様々です。もちろん「国際」原画展なので、世界中からレベルの高い作品が集まってきます。
 絵に付け加える文章もそんなに長くありません。長くて2行くらい、英単語1つだけしか付けない作家も多いです。僕の中でも今、モノトーンの連作のアイディアが固まりつつありますが、思ったよりもテキストを考えるのがとても楽しいです。大学の絵の講評で、「詩の挿絵みたいだ」と言われたことがあるのですが(悪い意味で)、その「詩」の部分を自分で作って、相乗効果で作品の広がりを作る、という作り方も面白いと思いました。
  
 作った作品はコンペに落ちても、自分の500円の作品集に収録しようと思っています。問題はボローニャのために、日本語で作ったテキストを英語に訳さなくてはならないということです。しかも応募票の記入もすべて英語。やはり芸大なんかじゃなく、ちゃんと勉強をして入る大学に進んでおくべきだったのかもしれません。
by msk_khr | 2012-06-10 19:09 | 日々のこと