人気ブログランキング | 話題のタグを見る

memo

今度は目の前で

 ギターの練習を始めた。職場の上司の方から、中古のアコースティックギターをいただいたのだ。ちょうど同僚にギターが弾ける人がいるので、少しずつ教えてもらっている。

 実はギターの練習は生まれて初めてではない。中学生のときに祖父の家にあったクラシックギターを借りて、家でポロポロと鳴らしていたことがある。ストリートミュージシャンが流行っていた時代だったので、もしもそのままギターが上手くなっていたら、今ごろ絵なんか描かずに駅前で歌っていたかもしれない。そうならなかったのは、リビングで適当に弾いていたときに、父親に「うるさい」と言われたからだ。父は僕の芸術活動に一切の関心を示さなかった。

 小学生のころにはオカリナの練習をしていた。なぜだか知らないが、音楽好きな母親が通信販売のようなもので買っていたのだ。一緒に付いていた教本に載っていた「いとしのエリー」や「贈る言葉」なんかを家に籠って吹いていた。果ては自分で作曲した曲をメモ帳に記し、母親に実演披露していた。「夏の思い出」と「丘をこえて」、それと確かもう1曲あったと思う。五線譜の譜面は書けなかったから、「ドドレドーーミーーソーー」といった自己流の楽譜でそれらは作られた。母親の目の前で演奏するのはさすがに恥ずかしかったので、母には1階の階段の下にいてもらい、自分は2階からオカリナの音色を届けたのを覚えている。小学生時代の自分には死んでもらいたい。

 高校時代は吹奏楽部でクラリネットを吹いていたし、振り返ってみると自分の音楽歴は画歴よりも長いかもしれない。こういった音楽との触れ合いは、自分の今の作品づくりに少なからず影響を及ぼしている。近ごろは聴くばかりになってしまったけど、もう一度ギターに挑戦して、いろんなコードをマスターしたら作曲とかもしたりして、最終的には父親に「夏の思い出」を披露しようと思う。
by msk_khr | 2012-03-31 20:54 | 日々のこと