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memo

それと、家庭も築きたい

 大晦日。張り切って大掃除をするつもりでいたが、夕方の5時に起きてしまった。昨晩は朝の5時に寝たので延べ12時間眠っていたことになる。いつもの自分なら、テンションが二度と戻って来ることのできない暗闇の彼方まで落ち込んでしまうところだ。しかし僕はなぜかとてつもない幸福感を感じていた。しばらく大嫌いな早起きを強いられる日々が続いていたので、僕の睡眠欲が臨界点を突破していたからだ。
 「もうこれでじゅうぶんだ」。僕は布団の中でそんなことを考えた。きっと人が死ぬ瞬間も同じような気持ちになるんだと思う。睡眠を人生と置き換えるならば、僕はもうそこにやり残したことはなかった。

 1日1枚ドローイングをするという枷を付けた今年の夏。始めのうちは日付が変わった直後にその日の分を描いていたが、いつの間にか日付が変わったあとに前の日の分を描くようになった。つまり「寝るまでに描く」というルールに変わったのだ。昨日は4時に寝ようと思ったのだが、そのときになってドローイングをしていないことに気付いたので、重い腰を上げてなんとか描いた。できるだけ最小限のエネルギーで描こうとした絵が今月は多い。絵を見ただけでその日の出来事を思い出すとまではいかないが、忙しかったんだな、ということだけはわかる。追われるように処理していった数々のかわいそうな絵。「余白の美」という都合のいい言葉があって本当に助かった。
 
 ドローイングを始めたのは自分のセンスを磨くためだ。それを1日1枚に決めたのは正解だったと思う。制作を生活の中にうまく組み込むことができ、ずぼらな自分の生き方が少しだけ芸術家らしくなってきた気がする。今日までで148枚。4ヶ月で描いた枚数と思えば多いけど、こんなんじゃまだまだという感じだ。自分ではあまりレベルアップしているようには思えないが、10,000枚描いたら何か変わるかもしれない。ドローイングはライフワークとしてこれからも続けていくつもりだ。だだし友達と旅行に行くときは本当に困る。11月に河口湖に行ったとき、みんなが寝静まったあとにカバンからノートと画材を取り出して、緑色の非常灯と携帯電話の明かりだけで描いた自分の執念だけは褒めてやっても良いだろう。

 2012年はいろいろな画材に挑戦したい。ドローイングをやっていく中で、広い色面を塗りたいとき、材料の限界というものを強く感じた。鉛筆型の画材だけだとどうしても時間が掛かってしまう。マーカーや水彩絵の具を使っていけばもっといろんな絵が描けるだろう。その流れでタブロー制作に繋がれば寡作作家から多作作家に進化できるはずだ。ピカチュウからライチュウへと変わるように。またはディグダからダグトリオに変わるように。「進化」という言葉からポケットモンスターを引き合いに出して例えた場合の失敗例を書いてみた。語彙力も鍛えたい。

 もうひとつの目標は、もっと遊ぶこと。今年はマヂカルラブリーの単独ライブ「スサノオノミコト」を皮切りに、たくさんのお笑いライブに行くつもりだ。お笑いに限らずいろいろな劇場に足を運ぼうと思う。お笑い、演劇、コンサート・・・。そこで行われる内容に関わらず、僕は劇場が好きだということが最近わかってきた。椅子に座って待つときのワクワク感、ブザーの音、真っ暗になる劇場。スポットライト、カーテンコール、終わったあとの切ない感じ。その一連の流れが好きである。もしかしたらこれがいわゆる「趣味」ってやつかもしれない。

 いつか今やっているすべてのアルバイトを辞める。そして好きなだけ眠り、観たい舞台をすべて観に行き、毎日呼吸をするように作品をつくっていく・・・。そんな人生を歩むことができたなら、「もうこれでじゅうぶんだ」って、死ぬときに一瞬思えるかもしれない。
by msk_khr | 2011-12-31 22:12 | 日々のこと