AKB48

　朝のラジオで、AKB48の話をしていた。その日がメンバー選抜総選挙の結果発表日だということで、事情に詳しいゲストを迎えて、結果予想などの楽しげなトークが繰り広げられていた。ほとんどアイドルに興味のない僕は、AKB48の人気の秘密や彼女らが日本に与える経済効果について、流通ジャーナリストの金子哲雄さんが熱弁を振るうのをしょうがないから全部聞いた。

　その夜、版画工房から帰ってからパソコンを見ると、ニュースの記事にAKB48の総選挙の結果が発表されていた。僕はラジオを聞いて興味が湧いたわけでもなかったので、別に誰が1位になっても良かったのだが、一応その記事を読んだあとに上位24人全員の画像検索をしてみた。念のため、ちょっと気になったメンバーのプロフィールをWikipediaで調べてもみた。

　PCでいろいろと作業をしたあと、風呂に入って汗を流した。入浴中は頭の中を整理する時間にちょうどいい。僕は今度のグループ展示に出品する作品のタイトルについて考えようと思った。しかし僕は自分でも気付かないうちに、なぜか歌を歌い始めていた。真夜中の浴室に響きわたる元気なメロディ。あらゆる思考を邪魔するかのように、僕の頭の中では「ポニーテールとシュシュ」がヘビーローテーションしていた。