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memo

空き巣被害

 家に帰ると僕はある異変に気付いた。鍵を閉め忘れていたのだ。今日は昼過ぎに家を出たので、およそ10時間のあいだ僕の家は出入り自由だったことになる。嫌な予感がした僕は急いで靴を脱ぎ家に入った。

 家の中は見るも無惨な有り様だった。まずトイレの明かりがついていたことで僕は侵入者の到来を確信した。おそらく犯人は物色を済ませた途端、強烈な尿意に襲われたのだろう。我が家のトイレは日中はかなり太陽光が差し込み、電気を付けてもほとんど明るさは変わらない。犯人はいつもの癖で電気のスイッチを押してしまったが、用を足して安堵したことでそれを消すのをすっかり忘れてしまったのだ。このことから犯人は明るいうちに犯行に及んだということが推測される。
 寝室に入ると布団が敷きっぱなしだった。つまり侵入者は一眠りしたのだ。なにせ僕の使用している敷き毛布はバーバリーである。空き巣を図るほど金に困窮している犯人にとって夢のような睡眠環境であることは間違いない。和室の部屋に全く合っていない毛布の上で彼は何を思っただろうか。
 枕元には1週間分の下着類が山積みになっていた。台所の流しには汚れた食器が水に浸かっていた。床はほこりだらけだった。冷蔵庫の中はつまらないものばかりだ。携帯電話の塗装も剥げてきた。部屋が寒い。作品売れない。マヂカルラブリーの単独ライブのチケットを取ろうとしたらまさかの即日完売。これはショック。マヂラブのファンがいつの間にか150人以上に急増していたとは。

 今週は休みがなかったので気持ちに余裕がなくなっていた。そんなときに人は大きな失敗を犯すものだ。気持ちに余裕があるときでも油断をすると人は大きな失敗を犯すものだ。どちらにしろ気を引き締めて明日も仕事だ。
 バーバリーの毛布に体後ろ半分を包まれながら、とりあえず戸締りと電気の消し忘れに気をつけようと思った。
by msk_khr | 2010-12-19 02:03 | 日々のこと